2010年11月16日火曜日

◆文字間隔の憂鬱

Word様の文字間隔の扱いは難しい。
まぁ特に知る必要もないだろうとタカをくくっていたのだが、基本的な部分は知っておかないとちょっとしたことでつまずく。
 
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この1行目と2行目の文字間隔の違いが判るだろうか。2行目のほうが微妙に詰まっている。
気にしなければ良いのだが、気になりだすと妙に気になる。2行目の数字が半角なのかと思い、一生懸命全角で上書きしても直らない。
実はこれ、1行目の数字が半角なのである。
Word様は我々が文章を読みやすいように半角英数字と全角文字の間は間隔を広げるという素晴らしい機能を持っている。普段何の気なしに使っているとなかなかその素晴らしさに気が付かない。
上記の例もIMEの気まぐれでたまたま異なった文字種で変換されて発覚した。

これを機に文字間隔の仕組みを理解しようと調査したのだが、なかなか難しい。半ば「やっぱりどうでも良いや」と思いかけたが、何とか自分なりに纏めてみた。

まずは基本的な決まりから。

  1. 文字数を指定しなければ文字間隔はゼロ


    文字数の指定は「ページ設定」にて「文字数と行数を指定する」を選んだ時に指定できる。(原稿用紙の設定にするでも文字数は指定できるようになるがとりあえず割愛)
    なので、デフォルトの「行数だけを指定する」の場合は文字間隔はゼロ。
    1文字のサイズ(デフォルトでは10.5pt)×文字数がページ幅と一致しないときは、その余りが各文字に均等に割り振られる。
  2. 文字数を指定した場合、ページ幅÷文字数


    指定した文字数で均等幅となる。字送りは下記の例でいくと11.5pt。
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  3. 字送りを指定した場合は指定したサイズ


    字送りのサイズでページ幅が割り切れなかったときは右端が空いたまま。(余白が広くなるわけではなさそうだ)
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    ただし、段落設定で「1行の文字数指定時に右のインデント幅を自動調整する」をオフにした場合は、余りは各文字に均等に割り振られる。
    なので、このオプション、正確に言うと「文字数と行数を指定するオプションを指定し、字送りを指定した時に右のインデント幅を自動調整する」ではなかろうか。
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  4. 標準の字送りを使用した場合は文字間隔はゼロ


    ページ設定で「標準の字送りを使用する」をチェックした時は標準の字送り(即ち、通常は10.5pt)が使われる。1と違い、余りがあった場合は右余白が広くなる。
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    上記の指定で行くと、文字数の指定可能範囲が(4-48)となっているので10.5ptでは48文字入ることが判る。そこへ26文字の指定をしているので約12文字分右余白が広くなる。

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    ちなみに、この「標準の字送りを使用する」オプション、一度設定して開きなおすとチェックが外れている。
    このような動作をする箇所がWord様、実に多い。本来そのような動きをするときに使うコントロールはチェックボックスではなくボタンである。
    「字送りに標準スタイルのフォントサイズをコピーする」というボタンにすれば明快であろう。
    Word様が悪いのではない、きっと「この画面作っといて」っと丸投げされた新人君が設計したのだろう・・・。

さて、ここまでが基本的な文字間隔の話。お気づきと思うが上記はすべて単一のフォントサイズを使用した場合の話である。途中でフォントサイズを変えるとそこでまた話がややこしくなるのだ。
以下はフォントサイズを変えた場合に1~4がどうなるかという話。

  1. もともと成り行きの設定なので文字間隔ゼロで字送りは各フォントサイズ。
    バラバラな文字サイズを足していって右端まで行き、余りがでたら各文字に均等に割り振る。(たぶん文字サイズに比例せず均等に割り振るのではなかろうか)
  2. 字送りが10.65となっているので文字間隔は11.5 – 10.5 = 1.0
    この文字間隔はすべてのサイズの文字に使われるので、
    ページ幅 = 各文字のフォントサイズの合計 + (文字数 × 1.0 )
    余りが出た場合は以下の結果をみると1行目と2行目の文字間隔がずれているので、各文字に均等に割り振られているようだ。
     20101117234635
  3. 指定した字送りで文字間隔が決まる。右端の余りはやはり、「1行の文字数指定時に右のインデント幅を自動調整する」の指定で決まる。
  4. 文字のサイズが変わって余りが出た場合、余白のサイズはこれ以上変わらず、各文字に割り振られるようだ。

これで文字サイズを変えた場合の話は終わるのだが、文字間隔の話はまだまだ終わらない。

次は、段落の最終行の扱い。Word様の段落最終行の扱いは摩訶不思議。
まずはページ設定で「行数のみを指定する」の上記パターン1の時。
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最終行のみ文字間隔がずれている。
調べてみたところ、この最終行の文字間隔は「オプション」「詳細設定」「表示」の以下のオプションに影響を受けるらしい。
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これをオフにすると、
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ほんの少しだがずれが縮まったのがお分かりだろうか。
もう「だからなんだ!!」という世界なのだが・・・。もしかするとこれはWord様が意図していない可能性すら感じさせる。

次にパターン2でオプションをオフ。
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パターン2でオプションをオン。
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パターン3でオプションをオフ。
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パターン3でオプションをオン。
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もうどうでも良くなってきているがここまで来ると意地なのでパターン4のオフ。
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パターン4のオン。
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結局のところ影響があることは分かったがその法則性は見いだせなかった。
このオプションをオンにすると最終行も文字間隔が揃うような情報も見かけたが私が試した限りにおいては完全に揃うことはなかった。

Word様お得意の気まぐれで他のパソコンでやるとまた違うのかもしれない。
どちらにしてもあまり有用なオプションではなさそうだ。

ここまで色々とみてきたが、これまでの文字間隔をぶち壊してしまう機能がWord様には存在する。
それが禁則処理。行頭に「。、」が来ないようにしたり英単語の途中で改行しないようにする処理である。
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このように1行目の文字間隔をスカスカにしてしまう。
この禁則処理をするかどうかは段落設定にある。
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オプションボタンを押すと禁則処理の詳細が設定できる。
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段落設定を見てみると、ここでようやく私がつまずいた「日本語と数字の間隔を自動調整する」というオプションがある。
これによって、全角よりも半角のほうが間が空くという現象が生まれたわけだ。

他にも文字間隔に影響しそうなものとしてフォントの種類がある。
固定幅フォントとプロポーショナルフォント。
プロポーショナルフォントも漢字などは固定幅になっているようだが句読点がない文章はないだろうから必ずずれてくる。

あと、欧文フォントはカーニングされるので、ここでも微妙な文字間隔のずれが発生する。

ふぅー・・・・。

まだまだきっと他にもありそうだが主だったところは、こんなところではないでしょうか。
なんか結局のところ、最初の認識通り文字間隔なんてこだわらないのが最善って結論ではないでしょうか。

そもそもこんなにいろんなオプションが必要なのだろうか。
どうせあっても誰にも使いこなせないと思うのだが・・・。

Word様ってすごーい!!

2010年11月15日月曜日

◆行送りの憂鬱

Word様と付き合うには行送りが避けて通れないのだが、これが結構わかりづらい。

行送りというのは実際は行の高さの事である。文字を選択した時に反転する部分と思えば判り易い。
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Word様はこの行の高さを先祖代々受け継がれた秘伝の技で決定する。

●ページ設定の「文字数と行数の指定」で「標準の文字数を使う」を指定した時
  
「行内の最大フォントサイズで決まる」
  image20101115230042

●上記以外
  ●段落設定で「1ページの行数指定時に文字を行グリッド線に合わせる」がオフ
    「行内の最大フォントサイズで決まる」
  
●オン 
     image
    「(ページ設定の行送りのサイズ)掛ける(段落設定の行間で指定した行数)になる」
    フォントサイズが大きくなり収まらない場合は2行分、3行分、と1行単位で大きくなっていく。

ただし、段落設定にて行間に「固定値」を指定した場合は上記の指定いかんに関わらず、「指定した固定値になる」
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◆メイリオの怪

Vistaの時に鳴り物入りで登場したメイリオフォント。
たしかに見やすいと思うのだが、Word様はメイリオが嫌いだ。

メイリオを使うとWord様はこんな意地悪をする。

MS明朝
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メイリオ
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どちらも10.5ptサイズなのにメイリオのほうは行の高さが2倍になってしまった。
だいたいの人はここで行き詰まりメイリオフォントの使用を断念するのではなかろうか。

この2行に跨る表示というのは、通常フォントサイズをある一定以上大きくしたときの動作である。
メイリオフォントは上下の空きが他のフォントよりも大きいのかもしれない。

さしあたって、2行に跨るのを回避するにはページ設定にて行送りを21ptにすると良さそうだ。
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2010年11月13日土曜日

◆「文字の色は段落書式?」の怪

先日、他人の作った文書をメンテナンスしていたところ不思議な現象に出会った。

文字列をコピーするとなぜか書式がコピーされないのである。
通常こんな文字を選択して、
20101112103553  
後ろに貼り付けるとこんな感じになる。
20101112103622

ところがその文書、いくら文字を選択して貼り付けても、文字はコピーされるものの書式がコピーされないのである。

かなーり悩んだ結果、どうやらスタイルとして登録されている文字の色はコピーできないようなのである。

たとえば、
20101112104119

引用文2というスタイルが適用されたこんな段落の文字を選択して、
20101112104300

後ろに貼り付けるとこうなる。
20101112104426
斜体は維持されているものの、文字の色が消えている。

当然段落毎コピーすれば文字の色もコピーされる。
同じ範囲を選択して書式のコピーをすれば文字の色もコピーされる。

自分で作ったスタイルについても現象は同じである。
文字の色って文字書式じゃないの?

あいかわらず不思議なWord様なのでした。

2010年11月5日金曜日

◆目次の怪2

目次は実際にはTOCフィールドというものを使って実装されている。
以下の文書の目次「あああああ」の先頭にカーソルを置いてShift + F9を押す。
 20101105104831

するとこんな感じでフィールドコードが表示される。
20101105101719

最近、目次をある条件で変更して表示させる必要があった。
そんな時も、超高機能なWord様、簡単に対応できる。
ifフィールドを追加するだけだ。
こんな感じ。(ThenもElseも元と同じものを指定している)
20101105102548

しかし、これをShift + F9で通常表示に戻すと。20101105102721
なんと、表示形式が変わってしまう。


そもそも、TOCフィールドはHYPERLINKフィールドとPAGEREFフィールドを組み合わせたものだ(多分)。以下はPAGEREFが顔を出した部分。
20101105103453

HYPERLINKも顔を出す時があるのだが、今日はWord様の調子が悪く(良く?)顔を出さなかった。
通常のHYPERLINKは青文字の下線付きで表示されるのでifフィールドを組み合わせたときの表示が標準だとも言える。
多分、目次として使ったときは裏でゴニョゴニョして書式を変えているのだろう。

目次に限らず、Word様は結構いろんなところで(陰で)フィールドを多用している。
しかし、Word様はフィールドにたいしてあまり気乗りがしないらしくかなーり気まぐれだ。
特に組み合わせるのが大嫌い。

ちなみに、上記の対策はとりあえずリンクを張らない様にするしか無さそうだ。
\hオプションを外すとリンクが張られなくなり通常の表示に戻ってくれる。

2010年11月4日木曜日

◆目次の怪

Word様は目次が苦手だ。

目次がこんな風になってしまったことはないだろうか。
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なぜか目次の見出しに章番号が振られてしまうのである。
本来はこうなるはず。
20101104230558

時々こうなることは体験していたのだが、その条件がよくわからない。いつのまにかなるのである。
今回やっとその一つのパターンを発見した。

っとおもったら再現しない・・・・。

また、Word様に逃げられた。

不具合の発生パターンをつかませないのもWord様は超一流。
また今度挑戦してみよう。

2010年10月10日日曜日

◆文字単位とミリ単位の怪

完全無欠なWord様、文字単位を使うかミリ単位を使うかといった細かな設定にもなんなく対応する。
初期状態では「単位に文字幅を使用する」がチェックされているので
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インデントの単位などは文字単位となっている。
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また、文字単位の設定をしていても直接「1 mm」と打ち込むことによってミリ単位入力も可能である。
ユーザーの使い勝手を第1に考えるWord様ならではの機能だ。

ところが、文字単位で運用しているはずがミリ単位で設定されているのを見かけることがある。
とりあえず見つけたのが、全Wordユーザーから賞賛の嵐を浴びている、かの有名な箇条書き機能である。
箇条書き設定後の段落設定は以下のようになる。
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なぜミリ単位?などと不思議に思うのはまだ早い。
この状態で、OKボタンを押して再度段落ダイアログを開いてみる。
なんと今度は文字単位だ!!
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なぜ?文字単位運用だからWord様が反省して戻してくれた?などと不思議に思うのはまだ早い。
先ほどの箇条書き設定した直後(ミリ単位で表示された状態)に戻って、ルーラーにて左インデントを設定してみる。
すると左インデント、ぶら下げインデントともにミリ表示だ。
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この状態でOKボタンを押しても、今度は文字単位には変わらない。そのままだ。
試しにここで左インデントを段落ダイアログにて「0 mm」にしてOKを押し、開きなおしてみる。
今度は文字単位に変わった。
そこで、また最初に戻って箇条書き設定直後の状態から段落ダイアログにて左インデントに「1 mm」を設定してみる。
これはルーラーで設定した時と同じく左インデント、ぶら下げインデントともにミリ表示。
こんどは(そろそろ驚いても良いのだが)、箇条書き設定直後の状態から、左インデントではなく右インデントを段落設定ダイアログにて「1 mm」と指定してみる。
するとなんと、右インデントはミリ表示、ぶら下げインデントは文字表示に変わる。

もうなんかどうでも良くなってきた。
書いていてもよくわからないし、おそらく読んでいてもよくわからないだろう。

おそらく状態遷移図でも書かないと解明できないだろうし、解明したところで覚えきれもしない・・・・。
到底そこに設計があるようには思えないのですべてが偶然の産物ではなかろうか。

結局インデントの単位がミリ表示されるか文字表示されるかは時の運であると割り切り、1文字3.7ミリ換算で自分の頭の中で変換するのが現実的ではないかと。
ここで3.7ミリは標準スタイルのフォントサイズ(10.5ポイント)をミリ換算したもの(多分)

すべてはWord様の気の赴くままに。

◆0.67字の怪(0.86字の怪その後)

昨日グリッド線の間隔を1文字とすることで1文字単位でルーラーによる調整ができることを確認した。
Word様には逆らうな!!: ◆0.86字の怪

はずだったのだが、今日やってみるとなぜかできない。
昨日のは夢だった?
Word様の気まぐれ?

試行錯誤した結果、どうやらグリッド線を表示していないといけないようだ。
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グリッド線表示にチェックを付けて文字グリッド線の間隔を1字にすることによってようやく1文字単位のルーラー設定が可能になる。
どうやら昨日はたまたまグリッド線を表示させていたのだろう。
そもそもグリッド線を表示させていないとルーラー設定は0.67字単位となる。
これまたどこから出てきた数字なのか・・・・。

纏めると、初期状態では
・グリッド線を表示させないと0.67字単位
・グリッド線を表示させると0.86(0.85)字単位
ページ設定でグリッド線の間隔を1文字とすると
・グリッド線を表示させないと0.67字単位
・グリッド線を表示させると1字単位

といった感じの様だ。

さすがWord様、なんとも判り易い仕様だ!!

2010年10月9日土曜日

◆0.86字の怪

インデントを増やすボタン20101009225304 にてインデントを増やすと1文字単位に増えていく。

しかし、水平ルーラーにて設定すると0.85字などと中途半端な単位で増えていくWord様。
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なぜ1文字単位じゃないの?などとWord様に問いかけてはいけない。
素直にその設定を探る。
どうやら文字グリッド線の間隔によって決まっているようだ。
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0.85と0.86、微妙に違っているが・・・・。
これを1字と設定してあげると水平ルーラーでインデント設定しても1文字単位となる。

初期設定が0.86なのに0.85となるのは何かの誤差?
試しに0.87にするとちゃんと0.87字になる。

あれ、もう一度0.86に戻すと今度はちゃんと0.86字になっている(@@)
相変わらず大らかなWord様。

まぁ実害の無いところなので深く追求せずに1文字としておこう。

0.86ってどこから出た数字なんでしょうね。

2010年10月7日木曜日

◆段落の縦罫線がはみ出る怪

先頭行は見出し1が基本でしょ、って事で見出し1を設定。
ちょっとお洒落して0.5行空けてみる。
こんなこともWord様はお茶の子さいさい。
段落設定で段落前に0.5行を指定してあげるだけ。
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もう少し見出しらしくするために段落罫線も引いてみた。
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設定対象に段落を指定するのがみそ。(メニューを選ぶ前に段落を選択しておけばここも段落が初期表示される)
ちなみに、上記のメニューに出ている「下罫線」とか「上罫線」でも引けるが線種の指定はダイアログで指定する必要がある。(これで引くときは段落を選択状態にしておく必要がある)

結果はこんな感じ。
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もう少しお洒落に縦線も追加する。
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すると、結果はこんな感じ。
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あれれ、ちょっと変だぞ。なんか縦がちょっと長い・・・・。
そうか、段落前に空けた0.5行分にも罫線が引かれている・・・・。
判りやすいように、段落前の行を3行にするとこんな感じ。
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えぇー、そういう仕様?
試しに上罫線も引いてみると、
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あれ、縮んだ。
って事は仕様じゃないよね・・・・。

ん~、今日もWord様は機嫌が悪い。
なんとかなだめねば。

色々やってみたところ、段落の背景に色を付けても縮んでくれる。
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そうか、って事は背景色を白にしてあげれば、
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おぉー、完璧だ!!

Word様破れたり!!

ページ自体に背景色を付けたりするとこんな感じになっちゃうけど・・・。
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その時はほら、段落の背景色も変えてあげて・・・・・。
Word様を使わせてもらうにはその位の手間を惜しんじゃダメでしょ。